はと麦は、南アジアを原産とするイネ科の植物です。はと麦の殻を除いて乾燥させたものは、ヨクイニンと呼ばれ、体の余分な水分を排出する働きがあるために昔から、むくみや下痢の効能がある生薬として使われてきました。また、殻を取り除いて煎じたものは、はと麦茶として利用されています。昔から、はと麦茶には美肌によいと言われており、愛用者が多いです。
はと麦には、良質なアミノ酸が多く含まれています。体を構成したり、代謝の際に働く酵素は、アミノ酸が結合したタンパク質からできているため、アミノ酸を多く摂ると体調がよくなり、新陳代謝が活発になったり、細胞でのエネルギー産生がよくなります。皮膚では、表皮の奥の方でできた表皮細胞が28日かけて表面にあがってきて最後は垢となって剥がれ落ちるという新陳代謝が行われています。新陳代謝がよくなると、メラニン色素を含んだ古い角質層が剥がれやすくなることで、肌のくすみがとれます。皮膚の角質代謝を高める作用があるコイクセラノイドという成分も美肌に貢献します。
はと麦には、食物繊維が豊富に含まれています。便通が悪いと腸の中にいる悪玉菌が毒素を作って、それが新陳代謝を妨げますが、食物繊維は水分を吸収して膨れることで、便のカサを増やし、便通をよくします。はと麦には、尿の量を増やす作用がありますので、便と尿の両面から老廃物を体外に出すはたらきがあります。
また、食物繊維は、腸内で脂肪を吸着させますので、腸での脂肪の吸収を抑えます。さらに吸収された脂肪の代謝を促進する成分も含まれているので、血中の脂肪の量が減り、血液がサラサラとなって血行がよくなります。
脂肪減少作用にプラスして、血中のグルコースが細胞に取り込まれることを促進する作用もあるため、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病の改善効果も期待されています。また、アレルギーを引き起こすヒスタミンを抑制するため、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患への効果も期待されています。